バスの運転手は犯罪事実確認の対象になりますか?——判断すべき3つの要件

こども性暴力防止法(日本版DBS)への対応を進める中で、事業者の方からよく受ける質問があります。

「送迎バスの運転手は、犯罪事実確認の対象になりますか?」
「給食の調理スタッフはどうですか?」
「事務職員は?」

こども家庭庁のQ&A(基礎編3-12)では、バスの運転手を例に挙げてこう答えています。

その従事者の業務が、支配性・継続性・閉鎖性の3要件すべてを満たす場合は対象となります。各事業者における業務の実態に応じて判断してください。

つまり、職種の名称で一律に判断するのではなく、業務の実態に応じて事業者が判断する必要があります。その判断基準が「3つの要件」です。


01|判断の基準——3つの要件とは

こどもと接する業務が犯罪事実確認の対象になるかどうかは、その業務が以下の3つの要件をすべて満たすかどうかで判断されます。

要件意味
① 支配性従事者がこどもに対して支配的・優越的な立場に立ちやすく、こどもが自らの意思で被害から逃れることが難しい状況にあること
② 継続性こどもに対して継続的に密接な人間関係を持つこと。

【継続性あり】 月1回、週2回など定期的に事業を実施し、同一のこどもが継続的に参加することを想定している場合 1〜2か月に1回、体験学習プログラムを開催し、かつ同一のこどもが複数回参加することが可能である場合
【継続性なし】 7月に1回・12月に1回のみ、それぞれ独立した別の学習プログラムを実施している場合
③ 閉鎖性第三者の目が届きにくい環境で、こどもと接する機会があること

この3つがすべて揃ったとき、その業務は犯罪事実確認の対象となります。ひとつでも欠けていれば、対象外になります。

02|具体的にどう判断するか

こども家庭庁のQ&Aでは、バスの運転手を例に「各事業者における業務の実態に応じて判断してください」と明示されています。職種の名称で一律に判断するのではなく、その業務が3要件をすべて満たすかどうかを、現場の実態に即して確認する必要があります。

ガイドラインでも「事務職員、送迎バスの運転手など、業務内容によって対象になり得る職種がある」と明示されています。「うちは教員・保育士だけが対象」と決めつけず、すべての職種について実態に即して確認することが必要です。

03|判断に迷ったときの考え方

「うちの職場の実態に当てはめると、どう判断すればいいかわからない」という場合は、こんな問いを立ててみてください。

  • その従事者は、同じこどもと繰り返し・継続的に接しているか(継続性)
  • その従事者は、こどもに対して指示・命令できる立場にあるか(支配性)
  • その従事者が業務を行う場所は、他の大人の目が届きにくいか(閉鎖性)

3つすべてに「はい」と答えられる業務は、犯罪事実確認の対象として検討が必要です。


「うちの職場でどの職種が対象になるか整理したい」「就業規則にどう盛り込めばいいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスで、職種の判断から就業規則の整備までワンストップで対応します。

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