英語の先生、体操の先生は対象になりますか?——外部講師とDBS法「閉鎖性」という視点

前回のブログで、DBS法の犯罪事実確認は「雇用形態に関係なく対象になる」とお伝えしました。

では逆に、対象にならない人はどんな人でしょうか。

どの幼稚園でも、外部から講師が来ることがありますね。英語の先生、体操の先生、音楽の先生——そういった外部講師は対象になるのでしょうか。

答えは「業務の実態によって変わります」。そしてそこで一番重要なのが、「閉鎖性」というポイントだと私は考えています。


01|対象にならない人の考え方——3要件を欠く場合

犯罪事実確認の対象になるかどうかは、以前のブログでもお伝えした「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件すべてを満たすかどうかで判断されます。

こども家庭庁の資料では、対象とならない例として「1日だけ講演に来るゲストスピーカー等」が明示されています。支配性・継続性・閉鎖性の観点から、明らかに該当しない職種については対象外となります。

要件対象になり得る対象にならない可能性がある
継続性同じこどもと定期的・継続的に接する1回限り、または同一のこどもと継続的に接しない
支配性指導・命令できる立場にあるこどもに対して優越的立場に立たない
閉鎖性第三者の目が届きにくい環境がある常に複数の大人の目がある環境で接する

3つのうちひとつでも欠ける場合は、対象外となります。

02|外部講師はどうなるか

毎週来る英語の先生、月2回来る体操の先生——これらの外部講師は対象になるでしょうか。

継続性の観点からは、定期的に同じこどもたちと接しているため、対象になり得ます。

支配性の観点からも、指導する立場にあるため、対象になり得ます。

では閉鎖性はどうでしょうか。ここが最も重要なポイントです。

クラス全体に対してオープンな環境で授業をしている場合——担任の先生もいて、他のこどもたちもいて、第三者の目が常にある状況——であれば、閉鎖性はないと判断できます。

しかし、こんな状況はどうでしょうか。

  • 授業の前後に外部講師とこどもが廊下で二人きりになることがある
  • 準備室や更衣室へのこどもの誘導を外部講師が一人で行っている
  • 担任が席を外す時間帯がある

こういった場面が生じ得る場合、閉鎖性があると判断される可能性があります。

03|「絶対に二人きりにならない」と言い切れますか

ここが核心です。

「うちの外部講師は常にオープンな環境で授業をしているから、閉鎖性はない」——そう判断したとします。でも、本当に「絶対に」二人きりにならないと言い切れますか?

授業中は大勢いても、ふとした瞬間に二人きりになる場面は生じ得ます。事業者として「絶対にない」と言い切れないのであれば、それは閉鎖性があると考えた方が安全です。

こども家庭庁の資料でも、確認が済むまでの間は「原則としてこどもと1対1にさせない等の措置をとる必要がある」とされています。この「原則1対1にさせない」という考え方は、裏返せば「1対1になり得る環境は閉鎖性がある」ということを示唆しています。

04|事業者として今できること

外部講師を迎える際に、事業者として検討すべきことがあります。

  • 授業中は必ず担任等が同席するルールを明確にする
  • 授業の前後に外部講師とこどもが二人きりにならないよう動線を整理する
  • 業務委託契約に「犯罪事実確認に応じなければならない」旨と、応じない場合の契約解除事由を明記する
  • 外部講師に対しても不適切な行為の定義と周知を行う

「絶対に二人きりにならない」という環境を作ることが、閉鎖性をなくすための具体的な対策です。そしてその対策を外部講師との業務委託契約書に明記することが、事業者としての責任ある対応になります。


「外部講師の扱いをどうすればいいか」「業務委託契約書をDBS法に対応させたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスで、就業規則の整備から業務委託契約書の作成まで、ワンストップで対応します。

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