実習生に特定性犯罪前科が判明したら?——2026年12月25日施行後の実習生対応

前回のブログでは、教育実習生・保育実習生が犯罪事実確認の対象になるかどうかについてお伝えしました。

今回は、2026年12月25日の法施行後に実際に起こり得る場面について、こども家庭庁のQ&A(応用編3-31〜3-35)をもとに整理します。

なお、この内容は複雑な部分も多く、個別の状況によって対応が異なります。本ブログはこども家庭庁のQ&Aをもとに情報をお伝えするものであり、個別の対応についてはこども家庭庁や所管の教育委員会等にご確認ください。


01|特定性犯罪前科が判明した場合、大学にどう伝えればいいか(応用編Q&A 3-31)

実習施設が犯罪事実確認を行った結果、実習生に特定性犯罪前科があることが判明した場合、実習元の大学等にどう伝えればよいでしょうか。

こども家庭庁のQ&Aでは、こう示されています。

伝えられること伝えてはいけないこと
✅「児童対象性暴力等のおそれがある事実」を伝えること

✅「こどもと接する実習を行わせることができない」ことを伝えること
❌「犯罪事実確認の結果そのもの」を伝えること

→こども性暴力防止法第12条違反となります

「犯罪事実確認の結果」を直接大学に伝えることは法律違反です。伝えられるのは「おそれがある事実」と「実習させられない」という2点のみです。

なお、実習先からそのような伝達があった後、大学等の側で、実習生の同意を得て、直接の面談等を通じて性犯罪歴を確認することは可能です。

02|実習できなくなったら、卒業できなくなりますか?(応用編Q&A 3-32)

実習が卒業のために必須の科目となっている大学において、犯罪事実確認の結果等により実習ができなくなった場合について、こども家庭庁とこども家庭庁支援局長・文部科学省の通知では、大学等が行うことが考えられる対応として、以下のことが示されています。

  • 実習を行うことができず卒業要件を満たすことができない学生への対応(実習に替わる科目の設定をはじめとした卒業要件に関する特例措置等)について整理した上で、入学志願者および在校生に周知すること
  • 「教員養成に関する学部」であっても、特例として、教員免許状の取得をせずに卒業することを認めることとすること

大学等の卒業要件に関することについては、学校制度を所管する文部科学省にお問い合わせください。

03|誓約書の提出状況を大学に確認できますか?(応用編Q&A 3-33)

実習施設から大学等に対し、実習生が「特定性犯罪前科がないことについての誓約書」を提出しているかどうか、情報提供を求めることができますか。

こども家庭庁の通知では、教育実習や保育実習を行う大学等に対し、入学前や実習前に特定性犯罪前科がないことについての誓約書をとっている場合には、その旨を実習施設に伝達することが考えられるとされています。

ただし、個々の大学等における誓約書に関する情報の取扱いについては、当該大学等において個人情報保護法も踏まえて判断されるため、具体的な取扱いについては大学等とご相談ください。

04|既に他の事業者で確認済みの実習生も、改めて確認が必要ですか?(応用編Q&A 3-34)

実習生がすでに犯罪事実確認を受けている場合も、改めて確認が必要ですか。

  • 過去に犯罪事実確認を行った事業者と実習施設が異なる場合は、実習施設で改めて犯罪事実確認を行うことが必要です。犯罪事実確認記録等は事業者間で共有することが法律で禁止されているためです。
  • 過去に確認した事業者と実習施設が同一の場合でも、確認後に実習生が離職して30日が経過している場合は、犯罪事実確認記録等が廃棄・消去されているため、改めて確認が必要です。

「別の事業者で確認済み」は通用しません。必ず実習施設で改めて確認が必要です。

なお、本制度における「離職」の定義については、こども家庭庁のガイドラインをご確認ください。

05|市町村立学校での実習生の確認は誰が行いますか?(応用編Q&A 3-35)

市町村立学校で実習を行う場合、犯罪事実確認の要否判断と手続きは誰が行いますか。

犯罪事実確認の要否を判断し、必要な場合に手続を行うのは、市町村立学校については、その学校の設置者である市町村教育委員会となります。

都道府県教育委員会ではなく、市町村教育委員会が行います。


DBS法対応の就業規則については、ぜひ一度ご相談ください。社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスで、ワンストップで対応します。

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