個人事業主と会社員の年金格差、今すぐできる対策
スポーツクラブでインストラクターをしている20代の女性と話す機会がありました。
彼女には双子の妹さんがいて、妹さんは会社員。同じ年に生まれて、同じように育ってきたのに、65歳になったときに受け取れる年金の額が大きく違うということを、まったく知らなかったんです。
「えっ、なんで?同じ日本に住んでるのに?」
そう言って驚く彼女に、私は年金のしくみと、今からできることをお伝えしました。今日はその話をブログに書きます。
01|そもそも、なぜ差が生まれるの?
日本の年金は、大きく分けて2階建て構造になっています。
- 1階部分:国民年金(老齢基礎年金) → 日本に住む20〜60歳の全員が加入
- 2階部分:厚生年金(老齢厚生年金) → 会社員・公務員だけが加入
インストラクターとして個人事業主で働く彼女は、国民年金(1階部分)だけです。一方、会社員の妹さんは、国民年金+厚生年金(1階+2階)の両方に入っています。
同じ年数働き続けても、受け取れる年金の種類がそもそも違う。ここに格差の根本があります。
02|65歳でもらえる額、どのくらい違う?
あくまで目安ですが、40年間フルに加入した場合で比べてみましょう。
| インストラクター(個人事業主) | 妹(会社員) | |
|---|---|---|
| 1階:老齢基礎年金 | 約813,700円/年 | 約813,700円/年 |
| 2階:老齢厚生年金 | なし | 給与・加入期間による (例:月給25万円・40年で約657,720円/年) |
| 合計(年額・目安) | 約813,700円 | 約1,471,420円 |
| 月換算(目安) | 約67,800円 | 約122,600円 |
※老齢厚生年金の金額はモデルケースです。実際は加入期間・報酬額によって大きく異なります。
同じ「双子」でも、月に約54,800円の差が生まれることがあります。これが何十年も続くわけですから、生涯でみると非常に大きな違いになります。
03|「じゃあ、私にできることは何もないの?」
そう聞かれたとき、私がまず紹介したのが「付加年金」です。
付加年金は、個人事業主など国民年金の第1号被保険者だけが使える、とてもお得な上乗せ制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加入できる人 | 国民年金の第1号被保険者(自営業・フリーランスなど) |
| 保険料 | 月額 +400円(国民年金保険料に上乗せして納付) |
| 受け取れる金額 | 200円 × 付加保険料を納めた月数 が毎年加算 |
| 元が取れるまで | わずか2年で回収完了 |
たとえば、20歳から60歳まで40年間(480ヶ月)付加保険料を納めた場合——
- 支払い総額:400円 × 480ヶ月 = 192,000円
- 毎年もらえる上乗せ額:200円 × 480ヶ月 = 96,000円/年
- 2年受け取るだけで元が取れる計算です
厚生年金のような大きな上乗せにはなりませんが、月400円から始められるという手軽さと、元本回収の早さが魅力です。加入の手続きは、お近くの市区町村窓口や年金事務所で行えます。
04|付加年金以外にも選択肢はあります
今日は付加年金を中心にお伝えしましたが、個人事業主の方が老後に備える手段は他にもあります。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):掛け金が全額所得控除になり、節税しながら老後資産を積み立てられます。個人事業主は月最大68,000円まで拠出可能です。
- 小規模企業共済:個人事業主・小規模企業の経営者向けの退職金制度。掛け金は全額所得控除になります。
- 国民年金基金:付加年金と同じ第1号被保険者向けの上乗せ制度(付加年金との併用は不可)。より大きな上乗せを希望する方向けです。
どれが自分に合っているかは、収入や働き方によっても変わります。「詳しく知りたい」という方はぜひご相談ください。
インストラクターの彼女は、話の最後にこう言ってくれました。
「月400円でそんなにお得なら、すぐ手続きしに行きます! 妹と差がつくのは仕方ないとしても、できることはやっておきたい。」
そうなんです。仕組みを知るだけで、動き出せることがある。
このブログが、そんな「知るきっかけ」になれたら嬉しいです。
年金や社会保険のことで気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


