年金は25年ではなく「10年」でもらえる?区民祭りで感じた、知らないと損をするお話
はじめまして。このブログを開設した社会保険労務士です。
ずっと「ブログを書こう」と思いながら、なかなか踏み切れずにいました。でも、日々お客様や地域の方と話していると、「私は知っているけれど、みんなが知らなくて損をしていること」がとても多いと感じるようになって。知っているだけで黙っているのはもったいない。そんな思いで、ようやく発信を始めることにしました。
記念すべき最初のテーマは、年金の受給権が生まれるのに必要な加入期間についてです。
区民祭りのクイズ、正解できましたか?
昨年、所属している社労士会の支部で、区民祭りにブース参加しました。地域の方々に年金のことを知ってもらおうと、「年金をもらうには何年加入が必要でしょう?」というクイズを出したんです。正解者には景品をプレゼント、という企画でした。
結果は……正解「10年」と答えられた方は、ほとんどいませんでした。多くの方が「25年」とおっしゃっていて、なかには「ぜんぜんわからない」という方も。それほど、この改正は世の中に浸透していないんです。
「年金ってもらえるの? 25年も払ってないし…」
そんな声を、これまで何度聞いてきたでしょう。
実は、2017年から「10年」に変わっています。
知らなくて損をしている方が、まだたくさんいるんです。
01|そもそも「受給権」って何?
年金の「受給権(じゅきゅうけん)」とは、老齢年金を受け取る権利のことです。この権利が生まれるには、「保険料を納めた期間」や「免除を受けた期間」などを合計した受給資格期間を満たす必要があります。
かつては、この期間が25年(300ヶ月)必要でした。つまり、25年に1日でも足りなければ、保険料をずっと払い続けてきても、一円も受け取れなかったのです。
02|25年→10年、いつ変わったの?
2017年(平成29年)8月1日から、受給資格期間が25年から10年(120ヶ月)に短縮されました。「無年金者を救済する」ことを目的とした法改正です。
| 項目 | 改正前 | 改正後(現在) |
|---|---|---|
| 受給資格期間 | 25年(300ヶ月) | 10年(120ヶ月)✓ |
| 施行日 | 〜2017年7月31日 | 2017年8月1日〜 |
| 対象 | 老齢基礎・厚生年金 | 老齢基礎・厚生年金 |
この改正によって救われた方は全国で約64万人ともいわれています。それまで「年金はもらえない」と諦めていた方が、受け取れるようになったケースも多くあります。
03|10年でもらえる年金の額は?
ここで大切な点をひとつ。受給資格期間「10年」はあくまで「年金をもらえる最低ライン」であって、加入期間が長いほど受け取れる額は増えます。
- 老齢基礎年金の満額は40年(480ヶ月)加入したときに受け取れます。10年加入ならその4分の1程度が目安です。
- 厚生年金(会社員・公務員)に加入していた期間があれば、老齢厚生年金も上乗せされます。
- 国民年金の保険料免除期間も「受給資格期間」に算入されます(ただし受け取れる年金額は減ります)。
- 海外在住期間(合算対象期間・カラ期間)も受給資格期間に含まれる場合があります。
「10年しかない…少ないかな」と思われた方も、ぜひ一度ねんきん定期便や「ねんきんネット」で自分の加入記録を確認してみてください。思っていたより期間が長かった、というケースも少なくありません。
04|こんな方は特に要チェック!
「自分は年金もらえない」と思い込んでいませんか?
- 自営業・フリーランスで国民年金をまとまった期間払った方
- 結婚や育児で一時的に仕事を辞めていた期間がある方
- 外国籍で日本での就労期間があった方
- 転職を繰り返して「バラバラに加入してきた」という方
- 「25年ないから無理」と勝手に諦めていた方
合算すると10年を超えているかもしれません。ぜひご自身の加入記録を確認することをおすすめします。
このブログでは、こうした「知らないと損をする」年金・社会保険の情報を、できるだけわかりやすくお届けしていきたいと思います。
難しいことを難しいままにせず、日常の言葉でお伝えすること。それが社労士として地域の方々にできることのひとつだと思っています。次回もぜひ読んでいただけると嬉しいです。
年金のことでご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
「自分は対象になるの?」「期間が足りているか不安」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。社労士として、あなたの年金加入記録を一緒に確認し、受給に向けたアドバイスをさせていただきます。
