この人は「施行時現職者」?——迷いやすい6つのケースを整理します

前回のブログで、施行時現職者の犯罪事実確認は約280万人を対象に、27か月間で分散して行われることをお伝えしました。

でも、実務で最初に悩むのは「そもそも、この人は施行時現職者に該当するの?」という判断です。

こども家庭庁の通知とQ&Aから、迷いやすい6つのケースを整理します。


01|育休・産休・介護休業中の職員は?

→ 施行時現職者に含まれます。

通知には、こう明記されています。

「法の施行の際、育児休業、介護休業、産前産後休業等を取得している教員等も、施行時現職者に含みます。」

「今は休んでいるから対象外」ではありません。施行日の時点で在籍しており、復帰後に対象業務に従事することが見込まれる方は、すべて施行時現職者です。休業中の職員も忘れずに洗い出しておく必要があります。

02|派遣労働者は?誰が確認する?

→ 施行時現職者に含まれます。確認するのは派遣先です。

通知では、こう整理されています。

「派遣労働者や請負事業主、委託先の事業者に雇用される労働者についても、上記に該当する者は、施行時現職者に含まれます。これらの施行時現職者の犯罪事実確認については、派遣先や発注元、委託元である対象事業者が行います。」

派遣で来ている先生や、業務委託で来ている外部講師も、施行時現職者に該当する場合があります。そして犯罪事実確認を行う義務は、雇用主(派遣元)ではなく、実際にこどもと接する業務を行わせている派遣先・発注元・委託元にあります。

「派遣の人は派遣会社が管理してくれるだろう」と思い込んでいると、確認漏れが起きます。ご注意ください。

03|会計年度任用職員は?年度末で任用が切れるけれど……

→ 翌年度も継続が決まっていれば、施行時現職者です。

Q&Aではこう答えています。

「対象業務従事者が、有期労働契約を行っている者であって、雇用期間等の終了後も対象業務への従事を継続することが、新たな雇用契約書等の客観性を有する書面等に基づきあらかじめ取り決められている場合は離職に当たりません。したがって、施行時現職者として申請対象月に犯罪事実確認をすることになります。」

会計年度任用職員は、形式上は年度末で任用関係が一度途切れます。でも、翌年度も引き続き同じ業務に従事することがあらかじめ決まっていれば、「離職」にはあたらず、施行時現職者として扱われます。

逆に、翌年度の継続が決まっていない場合は、新たに対象業務に従事する者として、改めて犯罪事実確認が必要になります。

04|教育委員会と首長部局の間で異動した場合は?

→ 異なる事業者間の異動なので、施行時現職者にはなりません。新規扱いです。

Q&Aではこう答えています。

「同じ首長部局内での異動は同一事業者内の異動ですが、教育委員会と首長部局の間の異動は異なる事業者間の異動と整理されます。」

同じ自治体の中であっても、教育委員会と首長部局は「異なる事業者」です。たとえば、公立学校の教員が首長部局の児童福祉施設に異動した場合は、異動先で新たに犯罪事実確認を行う必要があります。

「同じ市役所の中だから大丈夫」と思い込まず、事業者が変わるかどうかで判断してください。

05|令和9年4月採用の内定者。施行日時点ではまだ勤務校が決まっていないけれど……

→ 施行時現職者に該当します。

Q&Aではこう答えています。

「施行日の前日までに内定、内示等を出した者については、勤務校が決まっていなくても施行時現職者に該当します。」

令和9年4月採用予定の教員採用試験では、施行日(令和8年12月25日)より前に内定が出ることになります。この場合、勤務校がまだ決まっていなくても、施行時現職者に該当します。

つまり、施行日の前日までに「この人を対象業務に従事させる」と決定していれば、それだけで施行時現職者なのです。

06|請負・業務委託の外部講師は?

→ 施行時現職者に含まれる場合があります。確認するのは発注元・委託元です。

02の派遣労働者と同じく、請負事業主や委託先の事業者に雇用される労働者も、対象業務に従事している場合は施行時現職者に含まれます。そして犯罪事実確認は、発注元・委託元の事業者が行います。

園に定期的に来ている英語の先生、体操の先生、書道の先生——こうした外部講師が業務委託契約で来ている場合も、対象になるかどうかを確認しておく必要があります。


迷ったら「対象かもしれない」と考える

6つのケースに共通するのは、「対象外だろう」と思い込みがちなケースほど、実は対象になるということです。

  • 休業中→対象
  • 派遣→対象(派遣先が確認)
  • 会計年度任用職員→継続が決まっていれば対象
  • 異動→事業者が変われば新規扱い
  • 内定者→勤務校未定でも対象
  • 外部講師→業務委託でも対象になり得る

迷ったときは「対象外」と決めつけず、「対象かもしれない」と考えて確認することが大切です。確認漏れは、義務違反につながります。


「うちの施設では誰が施行時現職者に該当するか整理したい」「就業規則の整備もあわせて相談したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスで、ワンストップで対応します。

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