うちの施設はいつ確認される?——私立学校・児童福祉施設の「分散申請」の流れ(こども家庭庁通知)

前々回のブログで、施行時現職者の犯罪事実確認は27か月間に分散して行われることをお伝えしました。前回は「この人は施行時現職者?」という迷いやすいケースを整理しました。

今回は、多くの方が一番気になっているであろう「うちの施設は、いつ確認されるの?」という疑問にお答えします。こども家庭庁の通知をもとに、私立学校・児童福祉施設・認定こども園など、義務対象事業者の分散申請の流れを整理します。


01|公立学校と、それ以外で分散方法が異なります

通知では、犯罪事実確認の分散方法が2つに分かれています。

Ⅰ.都道府県立学校・市町村立学校の場合
各都道府県教育委員会が、管内の市町村教育委員会と協力して分散方法を決定します。採用年次、学校単位、学校種別、学校所在地などの方法で27分割します。

Ⅱ.私立学校等・児童福祉施設・事業の場合
こども家庭庁が、各都道府県を27区分(27か月)に割り振ります。つまり、施設が所在する都道府県によって、申請対象月が決まります。

このブログでは、多くの方に関係するⅡ(私立学校等・児童福祉施設・事業)の流れをお伝えします。

02|申請対象月は「都道府県ごと」に割り振られます

私立学校・児童福祉施設・認定こども園などの場合、申請対象月は施設が所在する都道府県によって決まります。

通知によると、こども家庭庁は全国の対象従事者約280万人を踏まえ、47の都道府県を27区分に割り振りました。各区分に割り振られる従事者数がおおむね10万人程度になるように調整されています。従事者数が少ない都道府県は複数の県をまとめて1区分に、多い都道府県は2区分に分割されています。

そして、1本目のブログでもお伝えしたとおり、都道府県の区分の順番にはランダム性が持たされています。自分の施設がいつ対象になるかは、所轄庁から通知されるまでわかりません。

03|申請対象月はどうやって届くのか——通知の流れ

申請対象月の情報は、次の流れで届きます。

こども家庭庁 → 都道府県(本通知の宛先機関) → 所轄庁 → 施設・事業所 → 学校設置者等

ただし、所轄庁から施設への通知タイミングは、申請対象月によって異なります。

申請対象月が令和9年4月〜7月の場合
所轄庁は、通知を受け次第、速やかに施設・事業所に通知します。つまり、今回の通知を受けて、すぐに連絡が来る可能性があります。

申請対象月が令和9年8月〜12月の場合
所轄庁は、申請対象月の1年前のタイミングで施設・事業所に通知します。たとえば、申請対象月が令和9年8月なら、令和8年8月以降に通知されます。

申請対象月が令和10年1月〜令和11年6月の場合
こども家庭庁が、申請対象月の1年前に、こまもろうシステムを通じて各事業者に直接通知します。所轄庁からの通知ではなく、システム経由で届きます。

04|通知を受けたら、4か月前に従事者に伝達

申請対象月がわかったら、事業者がまずやるべきことがあります。

申請対象月の4か月前に、該当する施行時現職者に対して「申請が必要になる旨」を伝達してください。

伝達する内容は——

  • 犯罪事実確認の申請対象月がいつであるか
  • 戸籍情報の提出が必要であること
  • マイナンバーカードの準備が必要であること

そして通知では、もうひとつ重要な注意点が示されています。戸籍の提出に必要な「戸籍(除籍)電子証明書提供用識別符号」の有効期限は3か月です。4か月前に伝達を受けた従事者がすぐに取得すると、申請対象月には期限が切れてしまう場合があります。戸籍の提出予定日から逆算して3か月以内に取得するよう、従事者に伝えてください。

05|申請対象月に間に合わなかったら?

通知では、こう整理されています。

原則として、申請対象月(1か月間)で交付申請を完了させてください。

ただし、どうしても難しい場合は、申請対象月の前後1か月を含めて、計3か月以内に完了させればよいとされています。

なお、令和9年4月が申請対象月の場合に限り、令和9年4月〜6月の3か月間に完了すればよいとされています(前月の3月は新規採用者の優先期間のため)。

それでも完了しなかった場合は、令和11年7月〜12月24日の猶予期間に必ず完了させる必要があり、それを過ぎれば義務違反となります。

06|通知が来る前に、やっておくべきこと

「通知が来てから動けばいい」と思っている事業者は多いかもしれません。でも、通知が来てから準備を始めると、4か月しかありません。

通知が来る前の今のうちに、次のことを進めておくことを強くおすすめします。

  • 施行時現職者の洗い出し——誰が対象になるかを、前回のブログを参考に確認しておく
  • 就業規則の整備——犯罪事実確認への協力義務、懲戒事由、不適切な行為の範囲を定めておく
  • 研修の実施——施行前に対象となる全従事者が受講する必要があります
  • 情報管理規程の策定——犯罪事実確認で得た情報を管理する規程を整備しておく
  • 従事者への事前説明——マイナンバーカードの準備を促しておく

申請対象月の通知は、いつ届くかわかりません。届いたその日から、スムーズに動き出せる体制を、今のうちから整えておいてください。


「通知が来る前に就業規則を整備しておきたい」「施行時現職者の洗い出しを手伝ってほしい」という幼稚園・保育所・学校、学習塾・スポーツクラブなど、こどもと接する事業を営むすべての事業者の方は、ぜひ一度ご相談ください。社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスで、ワンストップで対応します。

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