「早く取りすぎると期限切れ」に注意——犯罪事実確認で従事者に伝えておくべきこと(こども家庭庁通知)

DBS法(こども性暴力防止法)の犯罪事実確認では、事業者だけでなく、従事者本人にもやるべきことがあります。

マイナンバーカードの準備、戸籍情報の提出、こまもろうシステムでのアカウント作成——。これらは従事者本人が行う手続きです。事業者がいくら準備を進めても、従事者が動いてくれなければ、犯罪事実確認は完了しません。

今回は、従事者への事前説明で「これだけは伝えておくべき」という内容を、こども家庭庁の通知をもとに整理します。特に、知らないと実務で困る「戸籍の3か月ルール」についてお伝えします。


01|従事者本人がやること——3つの手続き

犯罪事実確認の手続きの中で、従事者本人が行うのは次の3つです。

(1)こまもろうシステムで従事者アカウントを作成する
事業者がシステムに従事者の氏名・メールアドレスを登録すると、従事者にアカウント作成の案内メールが届きます。従事者はそのメールに従い、マイナンバーカード等で本人確認を行い、アカウントを作成します。

(2)戸籍情報等をこまもろうシステムに登録する
犯罪事実確認には、戸籍情報の提出が必要です。従事者本人がこまもろうシステムを通じて、こども家庭庁に直接提出します。事業者が戸籍の内容を見ることはありません。

(3)研修を受講する
施行前に、こども家庭庁が公表している研修動画を受講する必要があります。

02|マイナンバーカードは「必須」です

従事者アカウントの作成にも、戸籍情報の提出にも、マイナンバーカードが必要です。

マイナンバーカードをまだ持っていない従事者がいる場合は、早めに申請するよう促してください。カードの発行には一定の期間がかかります。申請対象月が近づいてから「カードがない」となると、手続きが間に合わなくなる可能性があります。

「マイナンバーカードを持っていない職員がいるかどうか」を、今のうちに確認しておくことをおすすめします。

03|「早く取りすぎると期限切れ」——戸籍の3か月ルール

ここが、最も注意が必要なポイントです。

戸籍情報の提出には、「戸籍(除籍)電子証明書提供用識別符号」というものを使います。スマートフォンのアプリ(デジタル認証アプリ)とマイナンバーカードを使って取得します。

この識別符号には、有効期限があります。発行日から3か月です。

ここで落とし穴が生まれます。

通知では、事業者は申請対象月の4か月前に、該当する従事者に「犯罪事実確認の申請が必要になる」旨を伝達することとされています。

伝達を受けた従事者は、「早めに準備しておこう」と思って、すぐに識別符号を取得するかもしれません。でも、4か月前に取得してしまうと、申請対象月には有効期限の3か月を過ぎてしまい、期限切れになります。

たとえば——

  • 申請対象月が令和9年10月の場合
  • 4か月前の令和9年6月に従事者に伝達
  • 従事者が令和9年6月にすぐ識別符号を取得
  • 有効期限は3か月後の令和9年9月まで
  • 申請対象月の令和9年10月には期限切れ

つまり、戸籍の提出予定日から逆算して、3か月以内に取得するよう従事者に伝える必要があるのです。「早く準備してね」だけでは不十分で、「早すぎてもダメ」ということをきちんと説明しなければなりません。

04|戸籍の取得費用は従事者本人の負担です

もうひとつ、事前に伝えておくべきことがあります。

戸籍情報の取得にかかる費用は、従事者本人の負担です。

「会社(園)が出してくれるんじゃないの?」と思っている従事者もいるかもしれません。費用負担の説明がないまま手続きが始まると、不満やトラブルの原因になりかねません。事前に説明しておくことが大切です。

05|従事者に伝えるべきことのまとめ

犯罪事実確認に向けて、従事者に事前に伝えておくべき内容を整理します。

  • DBS法の施行により、こどもと接する業務に従事するすべての人を対象に犯罪事実確認が行われること
  • 従事者本人が、こまもろうシステムでアカウントを作成し、戸籍情報を提出する必要があること
  • マイナンバーカードが必要であること(持っていない場合は早めに申請を)
  • 戸籍の識別符号の有効期限は3か月であること。早く取りすぎると期限切れになること
  • 戸籍の取得費用は本人負担であること
  • 施行前に研修の受講が必要であること

「制度が始まったら説明します」ではなく、今のうちから少しずつ伝えておくことで、従事者の不安を軽減し、手続きをスムーズに進められます。

特にマイナンバーカードの準備は時間がかかります。「持っていますか?」のひと言を、今日から始めてみてください。


「従事者への説明をどう進めればいいかわからない」「就業規則の整備とあわせて相談したい」という幼稚園・保育所・学校、学習塾・スポーツクラブなど、こどもと接する事業を営むすべての事業者の方は、ぜひ一度ご相談ください。社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスで、ワンストップで対応します。

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