もしも「疑い」が生じたら——報告ルール・対応ルールと、事業者がとるべき初動
こども性暴力防止法(日本版DBS)への対応で、事業者が最も不安に感じるのが「実際に疑いが生じたとき、どう動けばいいのか」という点です。
「報告ルール」「対応ルール」とは何か。疑いが生じたとき事業者は何をすべきか。調査はどう行うのか——こども家庭庁のQ&A(基礎編5-4〜5-6)をもとに整理します。
01|「報告ルール」と「対応ルール」とは
事業者はあらかじめ「報告ルール」と「対応ルール」を定めておく必要があります。
報告ルールとは、従事者が児童対象性暴力等の疑いを把握した場合に、組織に適切な報告を行い、必要な対応につなげるために定めるものです。次の内容を含める必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報告方法 | 直ちに報告する等 |
| 報告先 | 誰に報告するか |
| 報告内容 | 何を伝えるか |
事業者内部に匿名通報窓口を設定することや、従事者向けの外部通報窓口等を周知することも、報告しやすくする工夫として重要です。
02|疑いが生じた場合、事業者は何をすべきか
児童対象性暴力等の疑いが生じた場合には、あらかじめ策定・周知している報告・対応ルールに基づき、迅速に対応することが必要です。
具体的には「初期対応」「調査」「調査を踏まえた対応」の3段階で進めます。
【初期対応】
- 発覚時の初期対応
- 一時的な接触回避策としての防止措置
- 保護者への連絡・説明
- 関係機関等との連携
疑いが生じた段階で、まずこどもと従事者を接触させない措置をとることが求められます。「疑いの段階だから様子を見る」ではなく、こどもの安全を最優先に動くことが必要です。
03|調査はどのように行うのか
調査については、事案の内容に応じて以下を行う必要があります。
- 情報および客観証拠の保全
- 関係者への聴き取り
- 事実の有無の評価
そして、ここが非常に重要です。
犯罪であることが明らかである、またはその疑いがある場合には、速やかに警察に通報または相談してください。
事業者内部での調査にこだわるのではなく、犯罪の疑いがあれば速やかに警察へ——これが鉄則です。
また、特に保育所・児童養護施設等に入所するこどもに対する性的虐待の疑いがある場合には、児童福祉法等の規定に基づき、所管行政庁等の行政機関と連携して対応する必要があります。
04|「疑い」の段階でも動くことが大切
これらの資料から見えてくる大切な考え方があります。
それは、「確証がなくても、疑いの段階で動く」ということです。
- 疑いを把握したら→直ちに報告
- 疑いが生じたら→まず接触回避
- 犯罪の疑いがあれば→速やかに警察へ
「確実な証拠がないから」「大ごとにしたくないから」と対応をためらうことは、こどもを危険にさらすことになります。事業者が迷わず動けるよう、報告ルール・対応ルールを事前に整備し、全従事者に周知しておくことが、何よりも重要です。
「報告ルール・対応ルールをどう整備すればいいかわからない」「DBS法に対応した就業規則を整えたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。社会保険労務士・行政書士のダブルライセンスで、ワンストップで対応します。


